仏陀はジェータヴァナでこの物語を語られた。ジャータカを伝える古い注釈書『ジャータカ註』は、これを本生譚第158話、スハヌ本生譚として記している。それは、気性の激しい二人の比丘にまつわる話である。二人は情熱的で、残酷で、暴力的であった。一人はジェータヴァナに住み、もう一人は田舎に住んでいた。
二人の兄弟が出会う
ある時、田舎の比丘が用件があってジェータヴァナにやって来た。沙弥や若い比丘たちは、彼の気性を知っており、またジェータヴァナに住む比丘の気性も知っていた。そこで彼らは、二人が争うさまを見たくて、田舎の比丘を相手の住まいへと連れて行った。
この二人の気性の激しい者たちは、互いの姿を見るやいなや、腕の中へ駆け寄った。互いの手や足や背中を撫で、さすり合った。
法堂での語らい
比丘たちは法堂でそのことを語り合った。「友よ、この兄弟たちは、ほかのすべての者に対しては気難しく、残酷で、怒りっぽいのに、互いの間では最良の友であり、親切で思いやりに満ちている!」師が入って来られ、何を話しているのかと問われると、比丘たちはそれをお伝えした。
師は、気難しく、残酷で、ほかのすべての者に怒りを向ける者たちが、互いに対しては友好的な姿を見せるのは、これが初めてではないと答えられた。昔にも同じことがあったのだと。そして、古い時代の物語を語られた。
一人の廷臣と貪欲な王
その昔、ブラフマダッタがバーラーナシーの王であったとき、菩薩は王の側近として仕え、世俗のことと霊的なことの双方について王に助言する廷臣であった。王は幾分貪欲であった。王は、マハーソーナ(大栗毛)という名の荒々しい馬を所有していた。
北方からの馬商人
北の地方からの馬商人たちが五百頭の馬を連れて下り、到着したことが王に伝えられた。以前には、菩薩はいつも商人たちに自ら値を決めさせ、その値を全額支払っていた。今回は、王は菩薩のやり方に不満であった。
王は別の廷臣を呼び、命じた。「友よ、商人たちに値を言わせよ。そののち、マハーソーナを放ち、その馬群の中に入らせよ。彼らを噛ませ、馬たちが弱って傷ついたところで、商人たちに値を下げさせるのだ。」廷臣は「承知いたしました」と言い、そのとおりに実行した。
菩薩が苦情を聞く
商人たちは深く憤り、馬が何をしたかを菩薩に告げた。菩薩は、彼らの町にも同じような獰猛な馬がいないのかと問うた。商人たちは、スハヌ、すなわち強顎と呼ばれる、激しく凶暴な馬が一頭いると答えた。「次に来るときには、その馬を連れて来なさい」と菩薩は言った。商人たちはそうすると約束した。
大栗毛と強顎の出会い
次に商人たちが来たとき、強顎も彼らとともにやって来た。王は商人たちが到着したと聞き、馬を見ようと窓を開けた。王は大栗毛を放つように命じた。商人たちは、栗毛が向かってくるのを見ると、強顎を放した。
その二頭は出会うやいなや、その場に立ち止まり、互いの体の隅々まで舐め合った。
菩薩の説き明かし
驚いた王は、これは何の意味かと菩薩に問うた。「友よ」と菩薩は言った。「この二頭の荒馬は、ほかの馬に出会えば、獰猛で、野蛮で、凶暴になる。噛みつき、病を負わせる。しかし互いの間では、このように立ち止まり、体中を舐め合っている。その理由は何か。」
菩薩は、その理由は二頭が似ていないわけではないからだと言った。性質と性格において互いに似ているのだと。そして、二つの詩句を唱えられた。「同じ羽の鳥は群れをなす。栗毛と強顎は意見が一致する。その範囲も目的も同じだからだ。二頭はいずれも荒々しく、いずれも凶悪で、いつも綱を噛みちぎる。ゆえに、悪は悪と、罪は罪と、互いに通じ合うのである。」
公正な値段
菩薩はさらに、王に対して過度の貪欲を戒め、他人の財を損なうことのないようにと諭された。菩薩は正当な価値を定め、王にそれを支払わせた。商人たちは正当な値を受け取り、大いに満足して立ち去った。王は菩薩の訓戒に従い、やがて自らの行いに応じた行き先へと旅立った。
仏陀による前世の特定
師は説法を終えられると、その生涯の登場人物を明かされた。「あの悪い兄弟は、当時のこの二頭の馬であった。アーナンダは王であり、私は賢い助言者であった。」
厩舎を超えて残る教え
スハヌ本生譚は、滑稽な表面と真剣な主題を併せ持っている。周囲の誰をも恐れさせた二頭の動物が、互いには穏やかに振る舞った。菩薩はその場面を、似た性質の者は互いに安らぐという教えとして読み解いた。だから、悪い仲間と交わる者は、自らの悪い習慣がますます強まることを見ても驚くべきではない。
また、この物語は、もっと静かな正義の行いをも伝えている。菩薩はまず説教をしたのではない。真実が見えるように取り計らい、それを説き明かし、そののち王を公正へと呼び戻したのである。商人たちは誠実に支払いを受けた。帰依者はここから、最上の矯正とは、誤りを明らかに示しながらも、その人が正す道を残しておくことだと学ぶことができる。
ご存知でしたか?
『ジャータカ注釈』二集(ドゥカニパータ)に収められた第158話。ジェータヴァナで、互いに友となった気性の荒い二人の比丘について説かれた。
王の馬はマハーソーナ(大栗毛)、商人の馬はスハヌ(剛顎)である。
馬商人は北方の国から五百頭の馬を連れてきた。
菩薩の偈は、同じ羽の鳥は群れを成し、悪は悪と通じ合うと説く。
アーナンダが王、二頭の馬が気性の荒い二人の比丘、仏陀が賢明な顧問であった。
