パールシュヴァナータ・チャーリサー(パールシュヴァナータへの40の賛歌)
これは、ジャイナ教の第23代ティールタンカラ(救済者)であるパールシュヴァナータを讃える40節の祈りの詩です。唱えることで心の平安や困難からの救済を得られると信じられています。
Verses
頭を下げて御足に、三度礼拝いたします。慈悲深き主パールシュヴァナータを念じます。
節 1
アシュヴァセーナの愛し子、ヴァーマーの子、幸福をもたらす方。ヴァーラーナシーの王であり、世界を救う化身であられた。
節 2
勝利あれ、主パールシュヴァナータ、幸福をもたらす方。世の苦難を取り除く方。
節 3
ヴァーラーナシーの都は極めて清らか。そこに生まれしは、世を喜ばせる方。
節 4
パウシャ月の暗半月の十一日目であった。インドラ神々は皆、喜びに満ちていた。
節 5
カマタの魂はかつての敵であった。恐ろしい石の姿をとっていた。
節 6
主が苦行をしておられるのを見つけ、激しい雨を降らせた。
節 7
稲光が走り、雲が轟いた。恐ろしい姿をとり、神々は怯えた。
節 8
主は少しも動じられなかった。瞑想に没頭し、すべての幸福に満ちておられた。
節 9
ダラネーンドラとパドマーヴァティーが駆けつけた。頭巾の傘を主の頭上に飾った。
節 10
カマタは敗れて主の御足に来た。許しを請い、自らの罪を滅ぼした。
節 11
全知が生じ、幸福をもたらす方。サマヴァサラナにおいて、知識の授与者。
節 12
サンメート・シカラから解脱を得た。解脱の境地への道を示された。
節 13
パールシュヴァ・チャーリーサーを唱える人は、すべての苦難から解放される。
節 14
幽霊や悪霊は近づかない。パールシュヴァナータの御名を聞けば。
節 15
蛇の毒は消え去る。パールシュヴァの御名の栄光が歌われる。
節 16
子のない者に子が授かる。貧しい者は富と幸福を得る。
節 17
病、悲しみ、すべての苦しみが滅びる。黄金の身体と世の誉れを得る。
節 18
すべての願いを叶える施し主。三界の運命を定める方。
節 19
四十日間、読誦する人は、心に望む果報を得る。
節 20
勝利あれ、パールシュヴァナータ、幸福をもたらす方。勝利あれ、三界の父であり母である方。
節 21
御足の庇護を、わがしもべに与えたまえ。輪廻の海を渡らせたまえ。
節 22
礼拝、礼拝、主パーラスよ、我らの苦難を取り除きたまえ。合掌して祈ります、輪廻から渡らせたまえ。
節 23
勝利、勝利、慈悲深きパールシュヴァよ。苦難を取り除き、幸福を授けたまえ。
節 24
賢者は四つの目的を得る。パールシュヴァナータの甘露の言葉。
節 25
非暴力、真理、不盗を教えた。捨離と法の教えを説かれた。
節 26
すべてのサンガに慈悲を施したまえ。ジャイナ教の勝利を宣言したまえ。
節 27
勝利、勝利、勝利、主パーラス神よ。神々、人間、聖者たちに崇拝される主。
節 28
貧者の友、苦しみを除く主よ。お守りください、内なる知者よ。
節 29
このチャーリーサーを日々瞑想する人は、必ず涅槃を得る。
節 30
主パールシュヴァナータの勝利を唱えよ。自らの心のすべての覆いを開け。
節 31
勝利、勝利、パールシュヴァ、ジナの王よ。すべての願いを成就させたまえ。
節 32
パールシュヴァ・チャーリーサーを読む人は、心に信仰を抱き。すべての不吉が遠ざかり、限りない幸福を得る。
節 33
サンメート・シカラの主、慈悲深きパーラスナータよ。庇護に落ちた者の名誉を守り、主よ、豊かにしたまえ。
節 34
Worship Guidelines & Chanting Benefits (Phalashruti)
Daily or auspicious lunar days (Ekadashi, Purnima, Pradosham)
Brahma Muhurta (4:00 AM – 6:00 AM) or Evening Dusk (Sandhya)
Ghee lamp (Deepa), Incense (Dhoopa), Fresh flowers & Water offering
- Peace of mind, spiritual upliftment, and harmonious energy in the home
Background
この詩はジャイナ教の信仰に基づく devotional literature の一つで、特に第23代ティールタンカラ(救済者)であるパールシュヴァナータを敬う信者の間で広く唱えられています。伝統的には、毎日または特別な日に、心を込めて読誦することで、病気や災いから守られ、願いが叶うとされています。作者は特定されていませんが、古くから口承されてきた民衆の信仰詩です。
ご存知でしたか?
チャーリーサー形式について
この「パールシュヴァ・チャーリーサー」は、40の詩節からなる賛歌で、ジャイナ教の伝統において信仰の対象を称えるために用いられます。ヒンドゥー教のチャーリーサーと同様の形式ですが、こちらは第23代ティールタンカラ(渡世者)であるパールシュヴァナータに捧げられています。各詩節は韻律に従い、読誦によって功徳を得ると信じられています。
パールシュヴァナータの誕生
パールシュヴァナータは、ヴァーラーナシー(ベナレス)の王アシュヴァセーナと王妃ヴァーマーの子として生まれました。誕生日は、太陰暦のパウシャ月の暗半月の第11日(パウシャ・クリシュナ・エカーダシー)とされ、この日はインドラ神をはじめ神々が喜んだと伝えられます。彼は32歳で出家し、約84日間の修行後に全知(ケーヴァラ・ジュニャーナ)を得ました。
蛇王による保護の逸話
修行中のパールシュヴァナータを、過去世からの敵であるカマタが巨大な蛇の姿で襲いました。激しい雷雨と稲妻の中で、蛇王ダラネーンドラとその妃パドマーヴァティーが現れ、蛇の頭を傘のようにしてパールシュヴァナータを守りました。後にカマタは悔い改め、許しを乞うたとされます。この逸話は、ジャイナ美術で頻繁に描かれるモチーフです。
教えと功徳
この賛歌は、非暴力(アヒンサー)、真理(サティヤ)、不盗(アチャイリヤ)というジャイナ教の三つの基本戒律を説いています。また、読誦者には、障害の除去、子宝、富、健康、毒からの回復など、現世での具体的な利益が約束されています。40日間連続で読誦すれば、望みが叶うとも述べられています。
解脱の地
パールシュヴァナータは、サメート・シカラ(現在のジャールカンド州パーラースナータ丘陵)で解脱(モークシャ)を得ました。この地はジャイナ教の重要な巡礼地であり、彼が最後の説法を行い、全知を得た後、肉体を離れた場所とされています。賛歌の最後では、この聖地の主としてパールシュヴァナータに祈りが捧げられています。
